高卒でも大手に転職できるの?
最終更新日:2018年10月26日
最終学歴が高卒の場合、「大手への転職はできない」と、はじめから諦める人が多いです。
しかし、高卒で大手に転職して、活躍されている人はたくさんいます。
どのような方法で転職先を見つけて、どのような環境で働いているのか見ていきましょう。
高卒の人も大手に転職できる
TVのCMで見かける企業や、誰でも知っている企業に勤めることは、高卒の方でも不可能ではありません。
転職求人情報サイトを見ると分かりますが、大手企業であっても応募条件が「高卒以上」で「職種未経験者可」となっているケースがたくさんあります。
というのも、大手企業は従業員数が多く、その全てを大卒者だけでまかなうことは難しいからです。
また、特定の職種は高卒の人しか働けないなど、大卒と高卒で職域を分けている企業もあるので、高卒者にも大手企業で働いている人がたくさんいます。
こういったことから、高卒者が大手企業に勤めるチャンスは十分にあります。
高卒で大手に転職しやすい7つの業種
高卒の人が大手で働きたい場合、転職しやすい業種に目を向けることも大事です。
ここでは、高卒の人が転職しやすい業種を厳選して7つあげています。
仕事内容なども見ながら、自分に合った業種がないか見ていきましょう。
IT業界
IT業界の一般的なイメージには、「きつい・帰れない」などのネガティブなものがあります。
ネガティブなイメージがあることから人材不足の業種になっており、今現在、労働環境を改善したり、プログラミング教育に力を入れる企業が増えています。
そのようなことから、学歴関係なく未経験の人でもチャレンジできます。
特に技術力がある即戦力の人材が必要とされているので、技術を持っている人は大手企業に転職しやすいです。
IT系といっても幅広い職種がありますが、
- プログラマー
- システムエンジニア
- ウェブデザイナー
- ウェブディレクター
などは、特に需要が高く、スキルを伸ばすほど任される仕事が増え、収入があがります。
キャリアを積んでいけば、フリーランスとして活躍することもできます。
製造業
製造業では、未経験者の採用が多く、ライン作業などは高卒者を積極的に採用しているので、高卒者でも大手企業に転職しやすいです。
一般的なイメージは、力仕事と体力勝負のきつい仕事と考える人が多いと思います。
しかし、製造業で工場勤務の仕事内容を大きく分けると、技術職・簡易的補助作業員・組み立て工員など大半が肉体労働を必要としない作業です。
仕事内容はマニュアル化され、覚えやすいように工夫されていたり、勤怠管理がしっかりとスケジュール化され休暇の取得がしやすい企業も多く、昔の3K(危険・きつい・汚い)のイメージはなくなりつつあります。
それ以外にも、大手の製造・生産業であれば、年収が高い企業もあるので、条件が合えばそういった企業を目指すのも良いでしょう。
採用時は、非正社員で雇用される場合がありますが、働きながら勤務先で必要な資格を取得すれば、正社員登用へは有利になります。
また、資格手当がつく企業もあるので、どのような資格が会社に必要であるか確認して取り組んで行きましょう。
鉄道業界
鉄道業界では、大手企業でも現場職の仕事であれば、学歴に関係なく転職者の採用を歓迎しています。
入社して研修後は駅係員からスタートし、数年のキャリアを積んだ後、車掌や電車運転士を目指す人、鉄道会社の駅ビルなどの商業施設を運営する人などさまざまです。
<車掌になる方法>
鉄道会社へ「現場職」として就職
↓
駅員の仕事から始め、その他の業務を遂行してスキルを伸ばす
↓
車掌の登用試験合格後、研修を受け車掌として働くことができます
<電車運転士になる方法>
鉄道会社へ就職
↓
駅員や車掌の仕事を経験し、鉄道業界の仕組みや電車運行の知識を高めていく
↓
社内試験合格後、研修を受け電車運転士として働くことができます
高卒転職者にも人気の業種なので、採用試験対策をしっかり行いましょう。
建設業界
建設業界で、高卒者が大手に転職しやすいのは、「施工管理」という職種です。
施工管理とは、建設現場における「現場監督」のことで、建築物などを作る際のすべての管理業務を行い、「施工管理技士」という国家資格が必要になります。
施工管理技士には、
- 土木施工管理技士
- 建築施工管理技士
- 電気工事施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
の6つの種類があります。
未経験のうちは、正社員になれない場合がありますが、所定の実務経験を積んだのち資格を取得すれば、「施工管理技士」の資格を認定され正社員登用されます。
建設会社には、年収が高い企業が多いのも魅力の一つです。
不動産業界
不動産業界での募集職種は、営業の仕事が多いです。
大手企業でも、高卒未経験者の採用枠はありますが、不動産業界での採用後は「宅地建物取引士」という国家資格や、普通自動車運転免許が必要となる場合があります。
宅地建物取引士にしかできない仕事がありますし、各営業所に5人に1人の割合で有資格者を設置しなければならないので、資格があるのとないのとでは、仕事を任される内容が全く変わってきます。
学歴に関係なく個人売上達成や依頼が成立した際には、給与以外のインセンティブをもらえる企業が多いため、成果を出せれば高卒でも早いスピードで昇給することが可能です。
運送業界
運送業界の大手企業の中で、高卒転職者で就きやすい職種は、トラックドライバーが多いです。
トラックドライバーとして仕事をするには、学歴よりも運転免許の取得が重要になります。
大型自動車運転免許・中型自動車運転免許・普通自動車運転免許などがあり、取得している免許によって運転できるトラックの大きさに違いがあります。
他の2つの免許よりも大型自動車運転免許は、受験資格や教習の難易度が上がりますが、仕事の幅が広がったり、給料が高くなったりとメリットが多いです。
入社の時点では、普通自動車運転免許が必須の企業が多いです。
まずは、先輩のトラックに同乗して仕事で使う道や手順を覚えることからはじめます。
約1~3か月を目安に会社費用負担で中型自動車運転免許を取得し、配送ルートや知識がついたらドライバーとしてデビューさせてもらえることが多いです。
ドライバーとしての経験を積み受験資格の時期がくれば、会社費用負担で大型自動車運転免許を取得することもできます。
飲食業界
大手飲食業界は、未経験者の募集が多かったり人手不足の影響があるため、高卒の人が大手企業に転職しやすい業種です。
休暇が取りづらく、労働時間が長いため人手不足なのですが「働き方改革」を行う企業も増えています。
大手飲食業界での事例
- 「ロイヤルホスト」24時間営業を廃止
- 「ドトールコーヒー」非正社員に退職金制度を導入
- 「すかいらーくグループ」正社員の短時間労働を採用
大手飲食業界であれば、研修制度が整っていたり、マニュアル化されている仕事が多いので、すぐに働きだせます。
入社当初はまず、店舗スタッフ(店長・ホールスタッフ・調理スタッフ)を経験します。
その後に、企画や店舗開発などの店舗以外での業務を行うようになれば、店舗経営などのノウハウを学ぶことができて、将来独立することもできます。
大手に勤めても、大卒との待遇の違いがあったり、昇進が限定される場合がある
高卒の人には、大手に勤めることで中小企業よりも待遇が良くなると考える人は多いです。
しかし、実際に大手で働くことができたとしても一定の役職以上に昇進できなかったり、待遇が大卒の人と違うことがあり入社してから戸惑うことも少なくないです。
そこで大手に勤めるにあたり、メリット・デメリットがあるので少し見ていきましょう。
大手に勤めるメリット・デメリット
<大手企業のメリット>
福利厚生
充実した年金制度や保険制度、財形貯蓄などの制度があると、将来的に安定した生活が送れるため、大手企業で働きたい人は多いです。
その他、社宅完備・家賃補助などがあれば、お金に余裕ができて生活が安定するという理由でも大手の人気があります。
資格支援・研修制度・通信教育などの受講料の補助などがある企業も多く、資格取得のために勤務時間短縮を利用し予備校に通えたり、取得に必要な資金援助を行ってくれるなどの便利を図ってくれたりします。
働きながら取り組めて、そういった補助が出るので安心です。
色々な補助があることで、仕事をしながら資格を取得することもでき、それによって給料アップや昇格に繋げることもできます。
ブランド力
大企業の場合、企業名そのものがブランド価値を持っています。
ブランド力があるので世間の知名度も高く、その企業で働いているだけで、社会的・個人的価値があがり取引先の相手などにもよい印象をもってもらえることが多いです。
また、社会的信用も高いため、車や家などの購入の際にローンが通りやすかったり、上限額を高くすることができるなどのメリットもあります。
研修
中小企業の場合、仕事で使う業務に関するスキルを、研修などの時間をとらずに普段の仕事をしながら教えることが多いです。
しかし、大企業の場合、入社とともに研修の時間を多く取り入れています。
研修をプロの方に依頼するなど、基本的なビジネスマナーや将来役立てられるスキルなどをきちんと学ぶことができ、社会人・企業人として将来的にも役立てられることが多いです。
給与
大企業の場合であっても、基本給は中小企業とさほどかわらない場合もあります。
しかし、基本給以外に、残業手当・家族手当・通勤手当など支給される手当の種類が多かったり、ボーナスの支給金額が中小企業よりも多く支給されるので、最終的には多くの給料を得ることができます。
その他にも、退職金制度の規定も充実しているので、一括払いの「退職一時金」と年金として分割払いされる「企業年金」との併用を実施している場合が多く、退職してからも金銭的な心配が少ないです。
勤務時間・休日
大企業は、「残業がほとんどないのに、給料が高い」といったイメージの通り、ノー残業デー・フレックス制度・半休制度を取り入れている企業が多くあります。
休暇制度においても、中小企業の場合などは、育児休暇や産前産後休暇、介護休暇など形式上あるだけで実際に取得する人は少ないです。
しかし、大企業の場合、企業側が取得することを促進していることもあり、休暇制度を活用している人も多くいます。
最近では、リフレッシュ休暇やバースデー休暇などを導入する企業が増え、プライベートに配慮した職場環境を作っている企業もあります。
<大手企業のデメリット>
人間関係
大手企業は社員数が多く、人間関係が複雑なことからメンタル面に支障をおよぼす人もいます。
転勤や異動も頻繁にあり、新しい環境で一から人間関係を構築しなければならいことに苦労を感じる人もいます。
社風
大企業では、古い体質が残っている場合があり、部署間での風通しの悪さなどに仕事のやりづらさを感じる人もいます。
また、企業体質を変えたくても、人数が多いことで、個人的な意見が取り入れられることが少なく、なかなか改善されることがありません。
勤務時間・休日
人数が多いので、会議などが増え労働時間が長くなることがあります。
「残業ゼロ」と掲げていても、1人に与えられる仕事量が多かったり、限られた期間で仕事の成果を求められることも多く、時間内に終わらず残業せざるをえないケースもあります。
接待が多く、定時後や休日の時間などのプライベートの時間が少なくなります。
また、業務に差し支える場合、有給休暇を希望した日に取得できず、結果的に取得率が低くなることがあります。
人事評価
社員数が多いので、出世競争が厳しくなり、評価もシビアになるケースがあります。
大企業では、年功序列で出世するケースがあり、仕事がどれだけできても年齢が若いなどの理由で評価されず管理職になるのに時間がかかる場合があります。
仕事の量
大企業では、取引先が多いので、その分一人ひとりの業務量が多くなります。
定時では終わらない量を割り当てられたり、ルールに縛られた仕事を任され時間だけが過ぎていくこともあります。
月末月初や四半期、企業ごとの繁忙期はとくに負担が増え、残務量が多いと休日出勤せざるをえなくなることがあります。
まとめ
大手企業には高卒の人だけでなく、誰もがあこがれるものです。
しかし、その内実をしっかり調べておかなければ大手に勤めたものの、こんなはずではなかったということになりかねません。
自分がしたい仕事がその企業にあり、給与システムや昇進条件、労働環境にも納得した上で、大手の採用選考に参加するようにしたいです。
大手企業を目指したい人は、人材紹介会社を利用するのが一番効率的です。
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