退職の際に、誓約書にサインを求められた場合サインすべきか?
最終更新日:2018年6月29日
退職を決意して、退職する準備をすすめていると誓約書にサインを求められることがあります。
これらの誓約書は、機密情報を漏らさないことや、競業する企業に転職して現職でのノウハウや情報を利用しないということを誓わせるなどのためにあります。
退職者は勤めていた企業で得た情報やノウハウがたくさんあり、情報を漏らしたり、それらを利用して競合する企業で売り上げを発生させられると損害を被る可能性があるからです。
こういった誓約書に関して特に気にせず気軽にサインをしてしまう人も多いのですが、本当にそれでよいのでしょうか?
誓約書の内容をまずよくチェックしてみてください
誓約書の内容は多くの場合テンプレートになっていて、それを経営者はコピーして細かい部分について法務や法律に詳しい人と相談しながら作成しています。
つまりある程度は形式上行われているという面があります。
企業としては出来るだけ競合が有利になるような事を避けなければならないので、誓約書にサインをさせる事で変なことをしないようにと釘をさしているわけです。
こういった書類にサインする場合、内容をまずよくチェックしてみて下さい。
多くの場合、「情報漏洩をしないこと」「競合企業に転職(起業)しないこと」などが明記されています。
この二つに関しては、秘密保持義務と競業避止義務という二つのケースに分かれることになります。
多くの場合、秘密保持義務に関しては納得しやすい事から特に問題なくサインしてしまう人も多いです。
しかし、競業避止義務という競業企業に転職をしないようにという点に関しての誓約書は注意してチェックしなければならないでしょう。
競業する企業には転職できないのか?
競業避止義務に関する誓約書も退職の際に、多くの企業でサインさせられることになります。
しかし、法律上の解釈としては特にサインをしなくても問題ないです。
企業は、退職者に誓約書を強制的に署名させることはできないのです。
というのも、憲法上で職業選択の自由が保障されているので、転職先を変に縛ってしまう事は憲法違反になってしまうからです。
ですので、内容をよくチェックしてみて、どうしても納得が出来ないという事であれば署名をする事を断ってしまえば良いでしょう。
特に、サインしてしまったら転職できる企業がない、というような場合はまずサインはしない方がよいでしょう。
しかし、ある程度の範囲であれば競業避止義務も認められていて、その範囲内であり、内容に納得がいくのならサインをしてもよいでしょう。
裁判などになると、誓約書のサインや就業規則などが争点になってくるのですが、そもそも裁判になるような事が無い様にという事で誓約書はあります。
内容に納得出来る範囲であればサインをして、企業側を安心させて円満退職をするというのも一つの考え方といえるのではないでしょうか。
まとめ
誓約書は裁判などで利用されることがあるのですが、実際は裁判沙汰にならないように利用されるのが本来のありかたです。
企業側としては釘を刺すという色合いの強い書類ですので、それにサインするしないに関わらず転職後には秘密情報や売り上げに大きな影響を及ぼすノウハウの漏洩をしないよう十分注意したいです。
もし、サインをせずに退職をしたとしても、この様な事が行われている事が判明した場合、裁判沙汰になる事はあるので注意しましょう。