解雇のされ方に問題がある場合とは?

最終更新日:2017年9月22日

解雇のされ方に問題がある場合とは?のアイキャッチ画像当サイトを訪問した人の中には、退職をしてから転職活動をしている人も多いでしょう。

退職は自己都合でしたという人もいると思いますが、不本意な解雇を言い渡された人もいるかもしれません。

ここで解雇について詳しく説明していきますので、もし不法な方法で解雇された可能性がある場合は、相談が出来る機関を訪問してみると良いでしょう。

1. 解雇には様々な規制がある

労働者が退職するケースには

  • 企業側と労働者が合意の上で退職する
  • 労働者が辞職願いを提出して退職する
  • 労働者が定年の年齢に達して退職する
  • 労働契約で決めた期間が終了して退職する
  • 企業側からの解雇の意思表示によって退職する

があります。

これらの内で両者の合意があったり、労働者側からの辞職、定年などの場合は、問題が起こりにくいです。

もし、皆さんがこの3つの内いずれかに当てはまるのであれば、退職に関して問題はない可能性が高いと考えて良いでしょう。

しかし、労働契約で定めた期間が終了した場合、企業側からの解雇言い渡しがあった場合などでは問題が頻発しています。

労働者にしてみれば、突然解雇をされたりした場合、生活していく為のお金が無くなってしまうのですからたまったものではありません。

そこで、こういった問題が起きないように解雇などには様々な規制が存在しているです。

ここからは解雇についてどの様な規制があるのか見ていくことにしましょう。

2. 社会通念上相当である解雇でないと認められない

解雇に関する法律には、民法と労働契約法が存在します。

民法は明治時代に出来た法律で、労働契約法は平成20年になってから施行されました。

正社員は労働契約を結ぶ際に「期限の定めがない」とされているのですが、民法ではこういった形で契約した場合、いつでも解約をする事が出来るとしています。

解雇するまでに2週間の予告期間さえ設ければ、いつでも労働者を解雇できるのです。

しかし、実際にはこのような形で解雇を言い渡されると問題になる事が多く、裁判などになると労働者側の言い分が認められる事が多かったのです。

そこで、あらたな法律として労働契約法が平成20年3月1日に施行されて、解雇に関しての規制が明記されることになりました。

労働契約法では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」とされました。

3. 認められる解雇理由、認められない解雇理由

解雇には、労働者側に問題があって解雇されるケース(普通解雇、懲戒解雇)があります。

労働者側に問題がある場合にも認められる解雇、認められない解雇があります。

認められる解雇としては

  • 会社の金銭、商品などの窃盗や横領
  • 重大な経歴詐称
  • セクシャルハラスメント
  • 転勤などの配置転換を断る
  • 著しい勤務態度の悪さ

などがあります。

転勤などを命じることは企業に与えられた権限であるので、断ってしまうと最悪解雇の対象とされますし、法律的にも問題がありません。

また、勤務態度に関しては、少し位であれば解雇にまでは及びませんが、まったく仕事をしなかったり、指導者の言う事を聞かなかったり、出勤しない日が非常に多いといった場合は解雇規制に該当しません

認められない解雇には

  • 仕事が出来ない
  • 軽度な勤務態度の悪さ

などがあります。

能力的な面で劣る人を解雇する事は多くの場合認められません。

また、勤務態度の悪さも軽度なものであれば解雇はできません。

どちらも、指導をする事で改善する可能性があるので、そちらを優先して行うべきとされるのです。

4. 業績が悪くなっても直ぐに解雇は出来ない

労働者側が原因の解雇以外に企業側の業績が悪くなって従業員を解雇するケース(整理解雇)もあります。

このケースでは業績が悪いので解雇も仕方ないと考えてしまうかもしれませんが、解雇をする以前に出来るだけの事をしていないと解雇規制にひっかかってしまいます

解雇の前に

  • 役員の報酬を減らす
  • 残業を減らす、休日労働をさせない
  • 新規の採用をしない
  • 希望退職者の募集

など様々な努力を行った上で、それでも業績が回復しないとなった場合にはじめて解雇が可能となります。

解雇にあたっても、解雇対象者を客観的で合理的な理由により選ばなければなりませんし、労働組合との協議も必要です。

もし、企業側の都合で退職を命じられて、これらの手順を踏んでいなかったという事でしたら、その解雇は無効になる可能性が高いです。

5. 解雇するには、解雇予告が必要

解雇理由が問題ないとしても、直ぐに解雇されてしまっては労働者側は困ってしまいます。

そこで、解雇するまでには解雇予告期間をおく必要があります。

上記したように民法では2週間の予告期間でよいとされていたのですが、それではあまりにも短いので労働基準法で30日間の予告期間が必要とされました

この予告期間は絶対に必要という訳では無く、その期間に見合った解雇予告手当を支払う事で直ぐに解雇することも可能です。

もし、即時解雇されたり、解雇予告手当を貰っていないという場合には、今からでも労働相談機関に相談することで解雇予告手当分を支払って貰える可能性があります

しかし、企業側ではなく、労働者側の原因で解雇が言い渡された場合は話が変わってきます。

労働者側が原因で、労働基準監督長に認められた場合、即時の解雇も認められているのです。

6. それ以外の解雇に関する注意事項

解雇が禁止されている労働者もいます。

業務上で負傷したり、病気になり休業する期間は解雇できません

また、回復後30日に関しても解雇規制がされています。

しかし、いつまでも回復しない場合はそのまま雇い続けるのは企業にとってあまりにも負担が大きくなりすぎます。

そこで、3年を経過した場合には、企業がその後1,200日分の打切保証を行ったり、労災保険の疾病保障年金を受け取ることが決まった場合解雇することが可能になります。

それ以外にも、女性が産前産後の休業中とその後30日間も解雇は禁止されています。

7. まとめ

ここまで解雇について様々な規制が存在することについて紹介してきました。

企業も解雇に関してトラブルになると裁判沙汰になって多大な損害を被る可能性があるので、慎重に手続きを行っていると思います

しかし、「もしかして・・・」と少しでも思う事があったら、労働に関する相談が出来る「総合労働相談コーナー」を利用してみてください。

この場所だけで、労働に関する相談から企業への指導までしてもらえるので、気になることがあるという人は一度訪問して相談してみましょう。

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