倒産が原因で退職し、未払い賃金がある場合は国が補償してくれる

最終更新日:2018年6月29日

倒産が原因で退職し、未払い賃金がある場合は国が補償してくれるのアイキャッチ画像長引く不況が続いていた為に、倒産が原因で退職したという人もいるかもしれません。

そういった人の中には、退職する前に未払い賃金があったという人もいるのではないでしょうか。

こういったケースでは泣き寝入りするしかないと考えてしまうかもしれませんが、国が補償する制度があります。

この制度を利用すれば、未払い賃金の大部分を取り戻すことができるので、ここで紹介していきます。

未払い賃金の立替払制度

未払い賃金の保障は、「未払い賃金の立替払制度」によっておこなわれます。

手続きは、労働者健康福祉機構労働基準監督署でできます。

未払いの立替の対象となるには条件があります。

働いていた事業所が労働者災害補償保険法の適用事業であり、1年以上の間事業を行っている
この条件はあくまで事業所の条件であり、労働者側は1年以内しか働いていなくても未払い賃金の立て替えを受ける事が出来ます。

また、労災保険に事業所が加入していなくても、適用事業所であればよいので、ほとんどの企業でこの条件が問題になる事はありません
破産手続きの申し立てや認定申請をする6ヶ月前から、2年以内に退職していること
企業が破産したという事実を裁判所や労働基準監督署に、申し立て、認定申請をする6ヶ月前から2年以内に、本人が退職している場合。

これらの条件を満たしている人が未払い賃金の支払い対象者です。

立替払いされる賃金にも条件がある

未払いの賃金があれば、全てが立て替え払いされるわけではありません。

退職する6ヶ月前から立て替え払い請求日までの未払い賃金が対象となります。

月払いなどの定期賃金や退職金の未払いは立て替えられますが、ボーナスは対象外となっています。

2万円以下の未払い賃金に関しても対象外となるので、注意が必要です。

また、対象となっていても、全額が支払われるのではなく未払い賃金の内8割だけが立て替え払いされます

未払い賃金の総額に関しても年齢毎の上限があるので以下に示します。

  • 30歳未満:未払い賃金の上限 110万円 立て替え払いの上限 88万円
  • 30歳以上〜45歳未満:未払い賃金の上限220万円 立て替え払いの上限 176万円
  • 45歳以上:未払い賃金の上限370万円 立て替え払いの上限 296万円

最近の未払い賃金立替状況

未払い賃金立替払い制度に関しての利用状況のデータがあるので、少し見てみましょう。

以下は、企業の従業員数別の立て替え払いを申請した企業数です。

企業規模別の立て替え払い状況では、30人未満の従業員数の企業が89.3%を占めている。

図からも分かるように、30人未満の従業員しかいない小規模の企業で非常に多く立替払いが利用されていることが分かります。

倒産件数の統計結果でも、規模が小さい企業ほど倒産する割合が高くなっているので、その様な企業が立替払い制度を利用しているようです。

もう一つ企業従業員数別の立て替え払い利用者人数も見て下さい。

企業規模別の立て替え払い状況の支給者数の割合では、従業員30人未満の企業が48.2%。従業員30人から299人では、39.8%。

立替払い利用企業数では、従業員30人未満の企業が89.3%を占めていました。

しかし、立替払い支給者数では、従業員30人未満の企業19,369人、従業員30人〜299人の企業15,985人で、それほど大きな差はありませんでした。

この結果は、従業員が多い企業が倒産すると、それだけ多くの人が立替払いを申請する事が原因のようです。

まとめ

ここまで未払い賃金の立替払い制度について、利用方法と利用状況について見てきました。

非常に多くの人が利用しているので、もし未払い賃金が残っていたという人はぜひ利用してみて下さい。

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