会社の実態を知りたいなら商業登記簿も活用しよう
最終更新日:2018年1月25日
大企業などであれば、あらゆる情報がインターネット上に掲載されているので、どういった会社なのかを把握するのは簡単です。
しかし、中小企業の場合、ホームページを持っていない企業もあるので、実態が分からないということもあります。
そういった場合は、商業登記簿をチェックしてみましょう。
商業登記簿とは?
法人の会社を設立する際には、法務局で登記(会社情報の登録)をしなければなりません。
登記の際には、会社名、事業内容、本社の住所、資本金の額などを記載した書類を提出する必要があります。
これらの情報がまとめられて商業登記簿に記載されます。
設立の際に登記した情報は、更新があれば更新手続きを行う必要があるので、最新の情報に変更がなされています。
商業登記簿に記載された情報は、誰でも法務局やインターネットから手続きをすることで閲覧することができます。
企業間で新たに取引が行われる際などには、相手企業がちゃんと存在する企業なのかを確認するために登記された情報の確認が行われます。
一般の人でもこれらの情報を閲覧することができるので、会社の実態が知りたいという人は調べてみるとよいでしょう。
商業登記簿から分かる会社の実態
社名の変更は注意が必要
商業登記簿から会社名などを知ることができるのですが、更新がされた際には前社名も記載されています。
例えば
株式会社〜建設 平成〜年〜月〜日
株式会社〜システム 平成〜年〜月〜日変更
平成〜年〜月〜日登記
などのように、変更日も記載されています。
例で上げたケースでは、以前は建設会社だったのが、今はシステム会社に変更されています。
一般的に、事業は、ある程度業界を絞って行われていることが多いので、これだけ大きな変更が行われているのは、なんらかの理由がある可能性が高いです。
まだ業界を絞り切れていないので、あれこれと手探り状態なのかもしれないですし、経営が傾き、業務改革が行われたという過去があるのかもしれません。
会社の成長に合わせて社名を変更するというケースもありますが、社名の大きな変化がある場合は、もう少し詳しく事情を調べた方がよいかもしれません。
住所の変更は業績がよい場合も、悪い場合もありうる
商業登記簿には、本店の住所も記載されています。
会社名と同じく、過去の本店住所も閲覧することができます。
もし、住所が頻繁に変更されている場合には、企業規模の拡大に合わせて本店を移動している可能性が考えられます。
調べた企業がベンチャー企業で、今利益が伸びているという場合は、住所の移動が頻繁にあっても問題ないでしょう。
しかし、逆に都心部から郊外へ引っ越しをしている場合は、オフィスの賃金を安くするために引っ越したと考えることもできます。
この場合は、あまり業績が思わしくなくコスト削減を行っているのかもしれません。
事業の目的に一貫性はあるか?
事業の目的も商業登記簿から知ることができます。
会社は商業登記簿に記載した事業以外のことは行えないことになっているので、できるだけ幅広い目的を記載している企業は多いです。
しかし、ある程度業界にあった事業目的が記載されていて一貫性を感じられるケースが多いです。
もし、関連性が低そうな事業内容が羅列されているようなら少し注意をした方がよいかもしれません。
本業が上手くいかず、あれこれ手を広げている可能性もあります。
まとめ
商業登記簿を調べたからといって会社の実態が全て分かるわけではないです。
しかし、何度も会社名が変わっていたり、何度も住所が変更されていたりといった場合などは、どういった事情でそういったことが行われたのか確認する必要があるでしょう。
もし、近くに法務局があるというのでしたら、転職が決まりそうになったときに一度訪問して商業登記簿をチェックしてみるとよいのではないでしょうか。