高卒者が賢く転職活動をする方法

最終更新日:2023年5月26日

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高卒転職者は、どういった企業や職種に転職しやすいのか気になっている人もいるのではないでしょうか。

ここでは、国が発表している信頼性の高い情報を元に、高卒の人が転職しやすい、企業の特徴や職種の紹介をしていきます。

また、キャリアアドバイザーとしての仕事の中で得た情報を元に、アドバイスも行っているので、ぜひ参考にしてください。

1. 企業規模別の転職活動戦略

企業は、規模別に分けると、

  • 大企業
  • 中規模企業
  • 小規模企業

に分けられます。

中小企業という言葉をよく聞くかもしれませんが、実際は中規模企業と小規模企業では大きな差があります。

小規模企業は、中小企業庁の定義によると、最大でも従業員が20人未満の企業のことです。

一般的な中小企業のイメージは、小規模企業の定義と重なることが多いと思います。

一方で、中規模企業になると業種によって定義は違いますが、最大で従業員300人以下の企業も含まれることになります。

これくらいの従業員がいる企業の場合、大企業と感じる人もいるでしょう。

実際の大企業は、従業員数が300人よりも多く、皆さんも知っているような有名企業になると何万人もの従業員が働いていることが多いです。

では、こういった大企業、中規模企業、小規模企業の企業数はそれぞれ、どれくらいの数になるのか、見てみましょう。

企業規模別の企業数の割合は、大企業が0.3%。中規模企業が13.2%。小規模企業が86.5%。

見てもらうと分かるのですが、圧倒的に小規模企業が多く、その7分の1程度の数が中規模企業、そして大企業になると全体の0.3%とほとんど存在しないことが分かります。

TVCMなどで何度も見ている有名企業も、全体の企業数から見てしまうとごく一部に過ぎないのです。

この結果だけを見てしまうと、やはり大企業に勤めるのは難しいのかな、と感じて、転職活動で狙うのは中小企業にしようと考えると思います。

しかし、以下に示す企業規模別の従業員数もチェックしてみて下さい。

企業規模別の従業員数の割合は、大企業が30.7%。中規模企業が43.5%。小規模企業が25.8%。

企業数ではあれだけ少なかった大企業ですが、従業員数になると、大企業に勤める人は全体の3割にもおよびます。

一方、あれだけ企業数が多かった、小規模企業の従業員数は、全体の25.8%と大企業にもおよばないことが分かります。

この結果は、大企業1社における従業員数が非常に多いことを示しています。

1社毎の平均従業員数を導き出すと、

  • 大企業:1,192人
  • 中規模企業:40人
  • 小規模企業:4人

と、大企業では、それ以外の規模の企業に比べて、圧倒的に多い従業員が働いていることが分かります。

2. 高卒転職者も、大企業を狙ってみるべき

ここまでの結果を見ていると、大企業は採用されるのが難しいという状況にはあるにせよ、高卒転職者も、転職活動において狙ってみるべき企業であるといえます。

従業員数が、これだけたくさんいるので、退職していく人の人数も多く、新たに採用しなければならない人数が相当数になるからです。

実際、大企業の採用担当者に話を聞いても、特に高い技術や知識が必要な職種でなければ、「高卒の人でも活躍している人が多いので、ぜひ紹介してください」と言われることが多いです。

ですので、大企業のよい求人が見つかったら、自信を持って応募してみてください。

しかし、大企業ばかりを狙っていてはなかなか採用されない人もいるので、高卒転職者がもっとも狙うべきはやはり中規模企業というのは忘れないようにしたいです。

中規模企業を中心に狙いながら、大企業にもチャレンジするというスタンスがベストといえるでしょう。

中規模企業では、企業として必要な、研修制度や売り上げを継続的に上げることができる環境も整っていることが多いので、入社後も安心して働けるはずです。

一方で、小規模企業はそれほど力をいれて狙う必要はないといえます。

人脈があって、手伝ってもらえないかと頼まれたということであれば、働いてみるのもよいかもしれません。

しかし、一般的に小規模企業は企業として必要な制度やシステムが、まだまだ未熟なことが多いです。

また、経営者の考え方や姿勢、性格といったものに大きく影響される部分が多いので、将来的にどうなるか予測がつかない場合も多いです。

採用人数も非常に少ないので、小規模企業にこだわる理由が特にないのであれば、あえて狙う必要はないでしょう。

3. 高卒転職者は、どの職種が狙い目?

ここまで規模別の従業員数についてみてきましたが、次に職種別の従業員数についても見ていきましょう。

職業別の従業員数は、事務職が1214万人。専門職・技術職が1010万人。製造・加工・検査職が902万人。販売・営業職が875万人。サービス職が758万人。農林・漁業職従事者が237万人。輸送・機械運転職が222万人。管理職が153万人。

3-1. 事務職は、働いている人が最も多い職種

驚かれた人も多いかもしれないですが、日本で最も働いている人が多い、職種は事務職です。

事務職の中でも最も多いのが一般事務で、会計など専門的な知識を要する職ではなく、簡単なパソコン処理や書類作成、来客対応などの仕事をしている人が多いです。

事務職は直接売り上げに貢献する職種ではないので、日本の非効率的な働き方が現れているといえますが、現状はこのようになっています。

しかし、事務職がこれだけ多いにも関わらず、事務職で正社員として働くのは難しいことが多いです。

一般事務が最も事務の中で多いのですが、簡単な仕事が多く、多くの企業では派遣社員など非正規雇用者に任されています。

また、会計などの事務職においては、経験が重視されることや、一度採用すると長く勤める人が多いことから、採用倍率が高くなっています

事務職は、最も働いている人が多い職種であるのですが、転職が簡単にできるわけではなく、これまでの経験も重要になってくると考えておきたいです。

3-2. 専門職は採用されやすい

皆さんは、一度企業に勤めていたので分かると思いますが、何らかの専門技術や専門的な知識がある人は、企業において活躍していたということを実感しているのではないでしょうか。

従業員数の統計結果を見ても、専門職・技術職が2番目に多くなっており、企業が必要としていることが分かります。

当然ながら採用する人数も多くなり、応募条件が比較的高くなっているので求人倍率が低くなっていることから、職種の中では専門職は狙い目です。

もし、今現在、専門的な知識や技術を持っているということであれば、転職が比較的簡単にできて、年収を大幅に上げることができる人もいるはずです。

今現在、専門職に就いていなくても、将来ある程度、安定した仕事がしたいということであれば、未経験歓迎の専門職に転職して、働き出してから自らの知識や技術を高める努力をするのもよいでしょう。

最近では、IT関連職種で人材が不足しており、未経験の人を専門職や技術職として採用することが多いので、検討してみて下さい。

3-3. 今でも多い、製造業関連職種

中国企業が安い値段で製造を行うようになってから、日本の製造業は下火になってきていました。

しかし、今現在も製造業で働いている人は、様々な業界の中で最も多く、製造、加工、検査といった職についている人の人数が多いことが図から分かります。

こういった職種では、団塊の世代と呼ばれる人たちが多く働いており、現在、退職をしていく人が増えています。

その後を、引き継ぐ人がいないと問題になることもよくあります。

今後、新興国での製造が増えていく可能性はありますが、日本の製造業を維持したいと考えている企業はまだまだ多いことから、これからも日本の重要な産業として残っていくはずです。

現在も、製造に関わる職種では、学歴が「高卒以上」といった条件で求人がたくさん出ており、それほど求人倍率が高くないので狙ってみるのもよいです。

製造に関わる人材は、長期的に働くことが求められているので、同じ企業で長期的に働くことを希望している人には向いているといえます。

3-4. 安定的に採用される販売職・営業職

仕事をする上で、この職種さえあれば売り上げを上げることができるといえるのが、販売職や営業職です。

そういったことから、販売職や営業職は企業には不可欠の存在であり、景気に影響されることなく求人が多く出ています

求人倍率も比較的低い傾向にあり、特別な技術が必要とされていないことから、技術や資格がない人や、社会人経験が浅い人なども狙ってみるとよいでしょう。

販売職や営業職には、学歴を問わない求人が多いので、高卒の人が働いている場合も非常に多いのでおすすめです。

しかし、こういった職種は、入ることは比較的簡単でも、入社してからは他の職種以上に競争が求められることが多いので覚悟が必要です。

ノルマのある企業では、定期のノルマを達成するように行動しなければならないので、ストレスがたまることも多いかもしれません。

もしこういった職が向かないと思うのであれば、上記したような技術や資格を身につけて働く、専門職や技術職を目指してみるとよいかもしれません。

3-5. 管理職は、働いている人、求人数共に少ない

管理職として働いている人に目を向けてみると、やはり少ないことが分かります。

当サイト訪問者にも、もしかしたら管理職を目指して転職活動をしている人もいるかもしれませんが、働いている人数が少ないことに合わせて、求人も少なく、求人倍率が高くなっており、転職活動が難しくなる可能性があります。

管理者としてしっかり実績を残しているということであれば、他の職種と同じく転職もそれほど難しくはないでしょう。

しかし、そうではなく30代だからということで管理職を目指しているのであれば、いったん管理職ではない仕事に転職して、そこから再度昇進して管理職を目指した方がよいかもしれません

企業としても、ある程度プレイヤーとして活躍した人の中から管理職に昇進させたいと考えることが多いので、外部者を管理職として直接採用しにくいという事情もあります。

35才以上の人の転職が難しくなるとよくいわれる理由には、管理職のポストが少ないという事情もあります。

4. まとめ

様々な統計結果から、高卒転職者が、転職しやすい企業や職種について見てきました。

前職と同じ企業規模で、前職と同じ職種の求人に応募する転職活動方法でもよいですが、今回の記事を参考にして、以前とは違う規模の企業や、職種についても検討してもらえればと思います。

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