高卒から就職して転職する人の人数はどれ位?
最終更新日:2018年6月29日
高卒から就職した人で転職する人の人数はどれ位になるのでしょうか?
参考になる統計データがあるので紹介しようと思います。
高校卒業後3年以内に離職する人の割合
厚生労働省が平成23年に高校を卒業した人が、3年以内にどれ位の割合で離職しているのかについて調査しているので見て下さい。
就職後1年目に、19.6%、2年目に11.3%、3年目に8.8%の人が離職しています。
合計すると高卒の人は就職後3年以内に39.7%、つまり約4割の人が離職しているという事になります。
人数で見てみると、平成23年3月に高校を卒業して就職した人は15万8225人で、その内3年以内に6万2333人の人が離職しています。
また、この調査では4年目以降のデータは取っていないので、それ以降に離職する人も合わせるとかなりの数の人が離職をしているという実態があります。
このデータは離職した人の割合で転職率ではありません。
この離職した人から転職していく人の割合に関してのデータは無いので正確な人数は出せませんが、これだけの人数が離職している事を考えると転職していく人もかなりの数がいると分かります。
高卒者の企業への定着率が上がっている!?
平成23年だけのデータを見ていると高卒の人の離職率は高いなぁと思うのですが、ここ10年で見てみると高卒者の3年以内の離職率は下がってきています。
以前は高卒で3年以内に離職する人が5割を超えていたのですが、最近では4割と減ってきています。(5割あった時には、中卒、高卒,大卒の離職率が7割、5割、3割になっていた事から、七五三(しちごさん)と言われていました。)
なぜ離職率が下がってきたのかまで分析はされていませんが、下がった時期が丁度リーマンショックというアメリカの金融会社が破綻した事による不況の時期と重なっている事に原因がありそうです。
つまり、景気がさらに悪くなって、一度就職した高卒の人は仕事を辞めてしまうと他に転職できる見込みが無いために、今働いている企業に留まっておこうと考えたと予想することが出来ます。
一般的には離職率が下がった場合、景気が良くなったから仕事を辞める人が減ったのだと考えがちです。
しかし、若者の場合リストラの対象とされる可能性は低いので、景気が良くなってリストラされる人が減ったから離職率が下がったとはなりません。
逆に若者は安易に離職する傾向があるので、景気がそれなりに良い時には他の企業に転職する事を考えて、悪い時には今の企業に留まろうとします。
そう考えると、今現在少しずつ景気が回復する傾向にあるので、これからまた高卒者の3年以内の離職率は上がっていくのかもしれません。
まとめ
こういった離職率のデータを見ると、ついつい若者は直ぐに仕事を辞めてしまうと批判をしてしまいがちです。
しかし、「高卒転職マニュアルへ初めて訪れた方へ」でも書いたように、18才で就職してそれから一生一つの企業で働き続けるというのは、本来ありえないというのが普通の感覚ではないでしょうか。
やはり何社か経験をしてから長期的に働ける企業を見つけるというのが理想でしょう。
当サイトを訪れた人たちはもう既に離職をしている人だと思いますが、これだけ離職している人がいるのですから、離職した事に関してそれ程悩む必要は無いといえるでしょう。
しかし、いずれは長期的に働ける企業を見つけなければならないのですから、転職活動では前職の経験をよく振り返ってより自らにマッチした企業探しをするように心がけたいです。