女性に人気の事務職に転職する
最終更新日:2018年6月29日
女性に非常に人気が高い職業が、事務職です。
転職をして事務職で働きたいという人もたくさんいますが、事務職について漠然としたイメージしか持っていない人もいます。
そこで、このページでは事務職に転職する際に、多くの人が疑問を持つことに答えていき、事務職として働いている人の待遇や事務職の種類についても解説していきます。
1. 事務職に転職する場合に、気になる3つの疑問
事務職に転職をしようと考えた際に、
- 未経験OKは本当なのか?
- 事務職に転職する前の職種で多いものは?
- 必要なパソコンスキルはどれくらい?
などについて、気になっている方がたくさんいます。
ここでは、そういった疑問に一つ一つ答えていきます。
1-1. 事務職の応募条件「未経験OK」は本当?
事務職は競争倍率が高くて、経験者しか採用されないといったイメージを持っている人は多いかもしれません。
しかし、実は事務職は、未経験者でも就職できる可能性が高い職種です。
下のリクルートの調査結果を見ても分かるように、事務職に就いた半数以上の人が、事務職の経験が「ない」人です。(平均年齢30歳女性の調査結果)
「未経験OK」の求人だけど採用はしてくれないのではないかしら、と気になっている方もいるかもしれません。
しかし、「未経験OK」「経験問わず」の応募条件が書かれていれば、採用される可能性は十分にあるので、積極的に応募していくとよいでしょう。
1-2. 事務職に転職する前の職業で多いものは?
事務職に転職する前は、営業職をしていた方が一番多いです。
次に多いのが、販売・サービススタッフとなっていて、これらの職種で半分以上を占めています。
営業職や販売・サービススタッフは、常にノルマに追われたり、接客で苦労したりと精神的にきついことが多い職業です。
そういった職種が向かないと思った人が、事務職を希望して転職していると予想されます。
事務職は、ノルマがなく、難しい接客もほとんどないので、安定して長く働ける職業といえます。
1-3. パソコン操作ってどれくらい必要なの?
事務職は、パソコン業務がメインです。
そのため、ほとんどの求人情報の応募条件には、
- 「基本的なパソコン操作ができる方」
- 「Word、Excelの基本操作ができる方」
などの記載があり、パソコン操作は必須になっています。
応募条件にWordやExcelについての記載がなくても、「WordやExcelの基本操作はできて当たり前」と考えている企業もあります。
では、事務職ではどれくらいのパソコン操作ができれば、応募条件の「基本の操作」を満たすことになるのでしょうか。
企業によって多少違いはありますが、以下のようなパソコン操作ができれば基本ができていることになります。
事務職応募で求められる基本的なパソコンスキル
- ファイルやフォルダの操作と管理ができる
- ビジネスメールの作成とファイル添付、送受信ができる
- ブラウザを操作してインターネットから情報を収集できる
- Wordは、箇条書きや画像の挿入をして文書作成ができる
- Excelは、データ入力や集計をして書類作成ができる
また、文字入力のスピードも重視されています。
パソコンの基本操作ができても、1、2本の指で入力するような速度なら、採用されることは難しいでしょう。
どれくらいのパソコンスキルを求めているのかは、企業や事務職の種類によって違います。
面接の際に、パソコン操作がどのくらいできればいいのかを確認しておきましょう。
2. 事務職の基本情報
2-1. 事務職の年収
事務職の年収は、どれくらいあるのでしょうか?
以下の図は、平均年齢30歳の女性事務職の年収分布を表しているのでチェックしてみて下さい。
年収が200万円~300万円未満の事務職の割合が6割近くと、最も多くの割合を占めています。
年収200万円未満の人もあわせると約8割にも及びます。
400万円以上年収がある人は1割にも満たないことから、事務職は高額な年収は望めない職種といえるでしょう。
2-2. 派遣で働くか正社員で働くか(勤務形態について)
事務職を希望する人は、正社員として働くのか、派遣社員として働くのか迷うことがよくあります。
では、事務職を希望している人の内、正社員を希望している人はどれくらいいるのか見てみましょう。
以下の図は、女性が事務職として働く場合に、希望する雇用形態の割合を表しています。
出典:officeplus
図を見てもらえれば分かるのですが、圧倒的に正社員を希望している人が多いことが分かります。
しかし、最近では、事務職の仕事といえば、派遣社員のイメージを持っている方もいるかもしれません。
実際に、今現在、事務職として働いている女性には、派遣社員やアルバイトなど非正規社員として働いている方が4割以上います。
女性の事務職従事者の正規社員と非正規社員の人数は
- 正規の職員・従業員 395万人
- 非正規の職員・従業員 306万人
- パート・アルバイト 187万人
- 派遣社員 38万人
- 契約社員 51万人
- 嘱託 21万人
- その他 9万人
出典:労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)1~3月期
となっています。
非正規社員がかなりの人数いるのは間違いないのですが、半数以上の人は、正規の職員として働いています。
ですので、正社員になることを希望している人は、はじめは正社員としての事務職を目指した就職活動を行った方がよいでしょう。
そして、どうしても正社員就職が難しい場合には、派遣社員やアルバイトなどで事務職として働いて、経験を積んでから正社員に転職するとよいかもしれません。
3. 事務職の種類
事務職には、様々な種類の仕事があります。
事務職の種類によって、「業務内容」や「年収」、「採用に有利な資格」、「必要なパソコンスキル」に違いがあります。
そこで、代表的な事務職について、これらの違いを紹介していきます。
※平均年収は、DODA「平均年収ランキング2016」(2015年9月~2016年8月正社員女性20~59歳)を元にしています。
3-1. 求人が多い事務職
事務職の中でも、比較的求人が多い事務職を紹介します。
3-1-1. 一般事務
一般事務は、多くの企業で求められている事務職です。
専門性が必要になるような仕事はなく、幅広く事務業務全般を行っていきます。
様々ある事務職の中で、資格や経験を問わずに求人募集されることが多いので、事務未経験者とっては最も応募しやすい事務職です。
- 主な業務内容
- 電話・来客・メール応対、書類整理、文書作成、データ入力、郵便物管理、備品管理など
- 平均年収
- 320万円(女性)
- 採用に有利な資格
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト、以下MOSと表記)、簿記検定(日商簿記など)、文書情報管理士など
- 必要なパソコンスキル
- メールやインターネット、ExcelやWordなどのオフィスソフトの基本操作ができれば大丈夫です。
3-1-2. 営業事務
営業事務は、メーカー、商社、金融など様々な業界で活躍しています。
営業職のサポート業務を行いますが、営業職が不在時には営業職の代わりに直接顧客の対応を行います。
一般事務よりも専門性のある事務業務を行うこともあるので、「未経験OK」の求人条件であっても一般事務職よりはパソコンスキルや実務経験を優遇する場合もあります。
- 主な業務内容
- 電話・来客・メール応対、顧客情報の管理、データ入力、受発注処理、納品書や請求書の発行、商品管理、売上表や見積書の作成、プレゼンテーションなどの提案資料の作成など
- 平均年収
- 314万円(女性)
- 採用に有利な資格
- MOS、簿記検定(日商簿記など)
- パソコンスキル
- オフィスソフトのExcel、Word、PowerPointは必須でです。
プレゼンテーションの資料作成にPhotoShopやIllustrator、顧客情報管理にAccessが操作できると、大きなアピールポイントになります。
3-2. 経験者が優遇される事務職
事務職の中でも、経験者優遇の傾向が強い事務職を紹介します。
3-2-1. 経理事務
経理事務は、会社のお金を管理して経営をサポートします。
日々の経費や伝票整理を行う業務であれば、特別な経理の知識や資格がなくてもこなすことができるので、PCスキルさえあれば経理未経験者にも求人応募のチャンスがあります。
決算や社会保険、税金に関わるような業務であれば、簿記の知識が必要になりますので、実務経験者や資格保有者を求人応募することが多いです。
- 主な業務内容
- 帳簿付け、経費精算、出入金管理、小口現金管理、伝票整理、決算業務、見積書や請求書作成など
- 平均年収
- 426万円(女性)
- 採用に有利な資格
- MOS、簿記検定(日商簿記など)、給与計算実務能力検定
- パソコンスキル
- Excel、Wordの他に、弥生会計やソリマチ会計のような経理ソフトの操作ができれば心強いです。
3-2-2. 貿易事務
貿易事務は、輸入・輸出に関わるメーカーや商社、海運業などで、事務業務を行います。
貿易事務になるための必須の資格や条件はありませんが、日常会話ができる程度の語学力が必要です。
貿易事務の求人募集は地域が限定されることが多く、東京や大阪といった大都市で募集数が多くなっています。
- 主な業務内容
- 受発注処理、通関手続き、書類作成、運送手段や倉庫の手配、代金回収、商品管理など
- 平均年収
- 343万円(女性)
- 採用に有利な資格
- TOEIC、実用英語検定、貿易実務検定、通関士など
- 必要なパソコンスキル
- メールやインターネット、ExcelやWordなどのオフィスソフトの基本操作ができれば大丈夫です。
3-3. 女性に人気の事務職
安定して女性に人気を誇る事務職を紹介します。
3-3-1. 医療事務
医療事務は、病院やクリニックなどの医療機関で、医療費の請求を行います。
カルテ内容を確認して医療費を計算するため、未経験であっても医療用語や薬品名などは次第にわかるようになります。
資格や経験を問わない求人が多いのですが、採用においては即戦力である経験者の方が優遇される場合もあります。
- 主な業務内容
- 外来患者の受付と会計、患者やその家族への対応、レセプト(診療報酬明細書)作成と請求、カルテ管理、入退院の手続きなど
- 平均年収
- 276万円(女性)
- 採用に有利な資格
- 医科医療事務管理士(R)技能認定、医療事務管理士、メディカルクラーク検定、診療報酬請求事務能力検定など
※医療事務の資格は、他にも種類がたくさんあり、勤める医療機関や業務内容によって有利な資格が違ってきます。 - 必要なパソコンスキル
- Excel、Wordを使用することはほぼありません。 電子カルテやレセプトコンピューターを使用しますがそれほど難しい操作はないので、パソコンスキルは比較的低めでも大丈夫です。
3-3-2. 秘書
秘書は、企業の役員や社長、政治家弁護士など、役職者のサポート業務を行います。
上司が業務をしやすいように、常に先手であらゆる手配を行います。
その場で急に予定が変わることもあるので、臨機応変に対応できなければなりません。
取引先へ同行したり社内外との交流があるため、高いビジネスマナーが求められます。
資格は必要ないので、適性があれば秘書として採用してもらえます。
- 主な業務内容
- スケジュール管理、移動・出張・宿泊先の手配、書類作成、取引先の情報収集など
- 平均年収
- 335万円(女性)
- 採用に有利な資格
- 秘書技能検定試験、ビジネス実務マナー、外資系ならTOEICやCBS(国際秘書)検定
- 必要なパソコンスキル
- メールやインターネット、ExcelやWordなどのオフィスソフトの基本操作ができれば大丈夫です。
4. まとめ
ここまで事務職について様々な情報を見てきました。
事務職の種類によって、待遇や仕事内容は大きく違ってくるので、どういった事務職が自分には向いているのか考える必要があります。
事務職の内容をより詳しく知るには、求人情報を見るのがよいので「高卒の人が転職活動で使っている求人情報サイト一覧」で事務職の求人がたくさん掲載されている求人サイトを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。