30代まで派遣やアルバイト経験しかないが、正社員への転職は可能か?
最終更新日:2017年10月24日
90年代から2000年代中頃まで、就職氷河期が続いたために正社員経験がないまま30代になってしまう人が今増えています。
こういった人たちが転職を考えたときに、本当に正社員になれるのかと不安を抱くことが多いようです。
30代まで派遣やアルバイト経験しかなかった人が、正社員へ転職できるのかみていきましょう。
なぜ30代で正社員経験がない人が増えたのか?
正社員に転職できるのかを考える前に、どうして30代まで正社員経験がない人が増えたのかをみていきましょう。
日本では20年以上の間、不景気の時代が続いたのですが、その中で人件費を安く抑えたい企業が非正規社員を増やし、90年代から2000年代前半に非正規社員は急激に増加しました。
出典:多様化する非正規雇用
90年代前半には、労働者の内、20%に満たなかった非正規社員が、2015年11月に厚生労働省が発表した調査結果によると40%を超えたようです。
2010年以降は、退職後にアルバイトとして働く55歳以上の高齢非正規社員が増加しているのですが、2000年前後にはフリーターと呼ばれる若年者の非正規雇用者が急増しました。
2000年前後にフリーターとして働いていた人たちが、そのまま正社員になることなく、30代、40代に入ってしまっているのが今の現状です。
フリーターから正社員になるのは難しい?
フリーターと呼ばれる人たちでも20代前半の間に転職活動をはじめると比較的楽に転職できてしまう人も多いです。
学校を卒業してからまだ間もないことや、年齢も若いのでこれから育てていこうと企業も考えるからです。
しかし、年齢が上がってくると、企業側もそれだけ長く非正規社員を続けているのは何か問題あるのではないか、と考えて採用を控えることが多くなります。
また、正社員未経験者を雇うのならば若い人を採用したいと考えてしまうようです。
このようなことから、中年フリーターとよばれる30歳前後のフリーターは仕事を探すのが難しくなってしまうのです。
以下の図を見てください。
この図のタイプ3が中年フリーターと呼ばれる人たちが非正規雇用として働き続けている理由になります。
他のタイプでは「自分の都合のよい時間に働きたいから」という理由で非正規社員になっている人が多いのですが、タイプ3では「正規の職員・従業員の仕事がないから」が圧倒的に多くなっています。
この調査結果が発表されてから、中年フリーターの問題が深刻な問題であるという認識がなされるようになりました。
中年フリーターから正社員へ転職するにはどうすればよいか?
様々な調査結果から、30代前後でフリーター経験しかない人は、正社員の転職が難しいという現状があることを把握しました。
では、やはり正社員へ転職するのは無理なのでしょうか?
実際、人材サービス業を行っている企業でも、中年フリーターの転職が難しいということを認識していることは多く、20代向けのサービスだけを提供している場合もあります。
しかし、ここ最近の人材不足があまりにも深刻なことから、中年フリーターであっても採用される可能性が非常に高くなってきており、中年フリーターでも利用できる人材紹介会社や求人が増える傾向にあります。
経験や知識を必要とする業種では採用されるのは難しいのですが、営業や販売職など、フリーター時代の経験が活かせる職種では特に採用される可能性は高いといえます。
ですので、今の人材不足の期間を最後の正社員になるチャンスと思って、人材紹介会社を積極的に利用したり、応募できる求人にどんどん応募していくなど、最大限努力してほしいと思います。
もし、営業職や販売職ではなく専門職を希望していて、転職するには資格を取得したり、勉強が必要ということなら「求職者支援制度」を利用してみてください。
本来、職業訓練は雇用保険に加入している人が無職になった場合に利用できるのですが、求職者支援制度では雇用保険に加入していない人も職業訓練を受けることができます。
訓練中には給付金として、職業訓練受講手当月額10万円と、交通費もでるので、生活に困ることはないです。
こういった様々なサービスを上手く利用して、正社員になることを本気で目指せば十分採用される可能性はあるはずです。
まとめ
30代前後まで派遣やアルバイト経験しかない人が増えています。
こういった人が正社員を目指した転職を実現するのは難しいことが多いのですが、今現在の人材不足が深刻なことからチャンスは広がっています。
今を最後のチャンスと思って、正社員を目指した転職活動に本気で取り組んでみましょう。